「小正月」
1/5 – 1/19 小寒(しょうかん)
1/15 – 1/19 第69候雉始雊(きじはじめてなく)
「小寒」の末候、1/15から1/19までは七十二候の
第69候「雉始雊」。
「きじはじめてなく」と読み、雉(きじ)の雄が雌への
求愛のしるしとして「ケーンケーン」と
甲高い声で鳴き始めるころをあらわします。
さて、1月15日は「小正月」。
旧暦では、1月15日は満月にあたり、
昔はこの日を正月として祝っていたなごりから、
元旦を「大正月」、1月15日を「小正月」と
呼ぶようになったそうです。
小正月のならわしは主に三つ。
一つめは、小正月の正月飾り「餅花」を飾って
豊作を祈ること。餅花とは紅白の餅を柳などの木に
飾り付け、実った稲穂に見立てるそうです。
二つめは、小豆粥を食べて無病息災を祈ること。
赤い色の食べ物は邪気を払うと考えられ、
お祝いの食卓に欠かせませんでした。
1月11日の鏡開きのお餅でつくる小豆汁も
美味しそうですね。
三つめは、「左義長(さぎちょう)」
または「どんど焼き」と呼ばれる、正月飾りや
書き初めを燃やす行事を行うこと。
お正月のものを燃やすことで、その煙に乗って
年神様が天上に帰ってゆけるのだそうです。
大正月に年神様をお迎えし、小正月には年神様を
お見送りしながら、豊作祈願をする・・・、
お正月の行事はひとつひとつに
深い意味があるのですね。みなさんも何かひとつ、
小正月らしいならわしを取り入れてみませんか?
というわけで、12月の正月事始めから始まった
一連の正月行事はこれで一区切り。
次候はさらに寒さの厳しい「大寒」ですが、
大寒が過ぎれば「立春」。春の訪れはもうすぐです。
文 ・スタイリング・写真 / Yoshie A.