「 寒の水 」

「 寒の水
1/5 – 1/19 小寒(しょうかん)
1/10 – 1/14 第68候「水泉動」
(しみずあたたかをふくむ)

七十二候では、1/10から1/14までが第68候「水泉動」。
「しみずあたたかをふくむ」と読み、
地中で凍っていた泉の水が溶け始めるころをあらわします。厳しい寒さのなかにいても着実に
春が近づいていることを知らせてくれる
嬉しい季節名です。

この時期のことを
(小寒から立春までの約30日間のことを)、
「寒の内(かんのうち)」というのですが、
この時期は「水」に注目です!

もともと二十四節気の寒露(かんろ)、冬至(とうじ)、
小寒(しょうかん)、大寒(だいかん)の時期の水は
体に良いとされていますが、
1年で一番寒い、寒の内に汲む水は
「寒の水(かんのみず)」と呼ばれ、
雑菌が少なく腐らないため、
大変体に良いと人々に重宝されてきました。
なかでも寒の入りから9日目に汲んだ
「寒九の水」は柔らかく良質なので、
昔の人は薬として飲むほど大切にしていたそうです。

またこの時期は、水だけでなく「寒仕込み」といって、
寒気や寒の水を利用した食べ物
(凍り豆腐、寒天、味噌、醤油、酒など)を
仕込むのにも良い時期とされています。

水道水やミネラルウォーターで
生活をしている現代の私たちにとっては、
寒の水を手に入れることは難しいのですが、
まずは寒の水を取り入れる意味を込めて、
朝、コップ一杯のお水を飲んでみては
いかがでしょうか?
寺社を訪れて手水鉢の
お水に触れてみるのもおすすめです。

とはいえ、いまはなんといっても
一年でもっとも寒さが厳しい季節。
どうかくれぐれも身体の冷えや風邪には
ご注意くださいね。

文 / Yoshie A.
スタイリング・写真 / Aiko F.